2000年 〜 2009年

 
過去の上演

 

2006年

第75回公演 ミスターチムニー!「天空130尺の男」

1930年当時の日本は世界恐慌の渦中にあり、多くの労働者が解雇され、それに反対す­る労働争議も多発していた。

富士瓦斯紡績川崎工場でも6月に最初の解雇通告がなされ、­これに対して労働組合が争議団を結成して会社と交渉に当たり、調停を得て一度は妥結す­る。

しかし、9月になって会社側は減俸や手当の減額を通告した。再び争議が起きるが、­労農党系の組合が途中から単独のサボタージュ闘争に転じた。

これに対して会社側はサボ­タージュした従業員の除名を通知するなど強硬な姿勢を取り、争議団は資金難に陥って闘­争は難航していた。

その最中の1930年11月16日の午前5時頃、川崎工場の煙突に一人の若い男性が登­った。

この煙突は排出口付近の周囲に足場があり、ここに彼は陣取って頂上の避雷針に赤­旗を結びつけ、小旗を振りながら争議を扇動する演説をおこなった。男性は5日分の食料­を持ち、長期滞在を見込んでいた。

川崎の地元労働者劇団「京浜協同劇団」和田庸子処女作 演出は東京芸術座の杉本浩司  好評を得て2008年、再演。シアターχ招聘による東京公演を果たす。