気づけば通帳の残高が減っていて、何にどれだけ使ったのか分からない。毎月そんな焦りを感じていませんか。支払いを整理するのは難しそうに思えますが、実は誰でもできるシンプルな方法があります。

まずは収入と支出を見える化する

支払いを整理する第一歩は、自分の財布に何が入ってきて、何が出ていくのかをきちんと把握することです。

金融庁も家計管理の基本として、収入と支出の把握・管理を挙げています。

手取り収入を正確に知る

額面の給料ではなく、税金や保険料が引かれた後の「手取り額」を確認しましょう。この金額が、実際に使える範囲になります。通帳記帳や給与明細をチェックすれば、すぐに分かりますよね。

支出を固定費と変動費に分ける

毎月の支出は、大きく2つに分けられます。家賃や保険料のように毎月決まった額を払う「固定費」と、食費や交際費のように月ごとに変わる「変動費」です。まずは固定費をリストアップして、手取りからいくら残るのか計算してみてください。

支出の種類 主な項目例 特徴
固定費 家賃、住宅ローン、保険料、通信費、定期購読 毎月ほぼ同じ金額
変動費 食費、光熱費、交際費、日用品、娯楽費 月によって変動する

支払いを項目別に管理する仕組みを作る

全部を細かく記録しようとすると、すぐに挫折してしまいます。自分が管理しやすい項目数に絞ることが続けるコツです。

シンプルな項目分けから始める

最初は3~4項目くらいで十分。たとえば「固定費」「食費」「日用品・雑費」「その他」という分け方でも構いません。慣れてきたら、自分の生活に合わせて項目を増やしていけばいいんです。

外食が多い家庭なら「外食費」を独立させると、お金の流れがより見えやすくなります。

キャッシュレス決済は絞り込む

クレジットカードやスマホ決済が便利だからと何種類も使っていると、どこでいくら使ったのか分からなくなりますよね。できれば1~2種類に絞って、利用明細を見るだけで大まかな支出が把握できるようにしましょう。

  • メインで使うカードを1枚決める
  • 使う項目を限定する(例:食費だけ電子マネー、その他はクレジットカード)
  • 複数持つ場合は用途別に明確に分ける

先取り貯蓄で確実にお金を残す

「余ったら貯金しよう」では、ほとんど貯まりません。給料日に自動で貯蓄用口座に移す「先取り貯蓄」なら、残ったお金でやりくりする習慣が自然に身につきます。

最初は無理のない金額、たとえば月1万円からでも始めてみてください。

口座を使い分ける工夫

生活費用と貯蓄用の口座を分けておくと、貯金に手をつけにくくなります。可能であれば、貯蓄用口座のキャッシュカードを家に置いたままにするなど、簡単には引き出せない仕組みを作るのも効果的です。

定期的に見直す習慣をつける

一度整理したら終わりではありません。月に1回、10分でもいいので通帳や明細を眺める時間を作りましょう。

予算と実績を比べてみる

「今月は食費を4万円以内に」と決めたら、月末に実際いくら使ったかチェックします。オーバーしていたら原因を考え、次月に活かす。この繰り返しで、少しずつ支出のコントロールがうまくなっていきます。

固定費の見直しは年に1回

携帯料金のプランや保険の内容は、一度契約したら放置しがちです。でも、年に1回見直すだけで、月数千円の節約になることも珍しくありません。特に通信費は、料金プランの変更だけで大きく変わる可能性があります。

見直しポイント 確認内容
通信費 使っていないオプションはないか、もっと安いプランはないか
保険料 必要な保障内容か、重複している保険はないか
サブスク 使っていないサービスに課金し続けていないか

家計管理アプリを味方につける

手書きの家計簿が続かない人には、アプリがおすすめ。銀行口座やクレジットカードと連携すれば、自動で記録してくれるものもあります。

アプリ選びのポイント

機能が多すぎると使いこなせないので、シンプルなものから試してみましょう。収支が自動でグラフになる、支出をカテゴリ別に集計してくれるなど、自分が欲しい機能を持ったアプリを選んでください。無料版で十分使えるものも多いですよ。

完璧を目指さずに続けることが大事

支払いの整理は、完璧にやろうとすると疲れてしまいます。レシートを1枚なくしたからといって諦める必要はありません。だいたいの流れが分かればOK。大切なのは、自分なりのやり方で続けていくことです。最初はざっくりでも、続けていくうちに自然と精度が上がっていきますから。