お金を借りたり預けたりする場面で、「金利」とか「利息」といった言葉を目にしますよね。なんとなく耳にしたことはあっても、いざ「違いは?」と聞かれるとモヤモヤしてしまう人も多いはず。実はこの2つ、見た目も似ているけれど、指している内容は全然違うんです。

まず、金利は「割合」を表す言葉なんですね。パーセント(%)で示されていて、お金を貸したり借りたりする時に、どれくらいの比率で対価が発生するかを示しています。一方、利息というのは金利に基づいて計算された「具体的な金額」のこと。円やドルなど、通貨の単位で表される数字です。

たとえば、金利が年5%で100万円を1年間借りたとします。この時、5%という数字が「金利」で、実際に支払う5万円が「利息」にあたります。金利はあくまで計算のための道具であって、実際に財布から出ていくのは利息なんです。

利子も同じようなもの?

利息の話をすると、必ずといっていいほど「利子」という言葉も出てきます。結論から言うと、利子と利息は基本的に同じ意味を持つ言葉です。

ただ、使われる場面に少し違いがあって、「借りた時に支払うお金」を指す場合は利息、「預けた時にもらえるお金」を指す場合は利子と呼ばれることが多いみたいです。

とはいえ、この使い分けもそこまで厳密ではなくて、法律用語では「利息」が使われることが一般的。利息制限法という法律の名前にも「利息」が入っていますし、借金に関する文脈では基本的に「利息」で統一されている印象ですね。

金利の表し方にも種類がある

金利はたいてい「年利」で表示されます。つまり、1年間にかかる割合を示しているわけです。他にも「月利」や「日歩」といった単位もあるんですが、日常生活で目にする機会が多いのは圧倒的に年利でしょう。

同じ金利でも、実際の利息計算には借りている期間も影響します。10万円を年利15%で借りた場合、30日間なら利息は約1,233円、60日間なら約2,466円になるんです。借りている日数が長くなるほど、当然ながら利息の額も膨らんでいきます。

利息の計算、実際にやってみる

利息を計算する時の基本的な式は、「借入残高×金利(年利)÷365日×借入日数」です。この式さえ覚えておけば、だいたいの利息は自分で計算できます。

具体例で見てみよう

20万円を年14%で借りたとして、60日後に返済する場合を考えてみましょう。

200,000円×0.14÷365×60=約4,602円

つまり、元金20万円に加えて4,602円の利息を支払うことになります。もしこれが90日間だったら、利息は約6,904円に増える計算です。借りている期間が伸びるだけで、こんなに差が出るんです。

返済方法によっても変わる

実際にお金を借りた時の返済方法には、いくつかのパターンがあります。代表的なのが以下の3つです。

返済方法 特徴
一括返済 借りたお金をまとめて一度に返す。利息の負担は最も軽いが、一度に大きな金額が必要。
元金均等返済 毎月返す元金の額が一定。返済が進むと利息が減るので、総返済額は抑えられる。
元利均等返済 毎月の返済額が一定。計画が立てやすいが、返済初期は利息の割合が大きい。

どの方法を選ぶかで、トータルで支払う利息の額も変わってきます。返済シミュレーターなどを使って、自分に合った返済プランを探すようにしましょう。

単利と複利、聞いたことある?

利息の計算には、「単利」と「複利」という2つの考え方があります。単純に言うと、単利は元金だけに利息がつく方式で、複利は元金に利息を足した金額にさらに利息がつく方式です。

具体的にどう違うの?

10万円を年3%で5年間預けたケースで考えてみましょう。

  • 単利の場合:毎年3,000円の利息がつき、5年間で合計15,000円
  • 複利の場合:1年目は3,000円、2年目は3,090円…と増えていき、5年間で合計約15,927円

複利の方が受け取れる金額が多くなるんですね。逆に、借金の場合は複利だと返済額が膨らむので要注意。預金なら複利が有利ですが、借入なら単利の方が負担は軽くなります。

金利の高低で何が変わる?

金利が上がったり下がったりすると、私たちの生活にも影響が出てきます。金利が上がると、お金を借りる側は支払う利息が増えて負担が重くなりますが、預ける側は受け取れる利息が増えて得をします。

反対に、金利が下がれば借りる側には有利ですが、預ける側の受取利息は減ってしまうわけです。

実際の影響例

  • 住宅ローンの変動金利で借りている場合、金利上昇で毎月の返済額が増える可能性がある
  • 定期預金に預けている場合、金利上昇で満期時の受取額が増える
  • カードローンを利用中なら、金利が上がると利息負担も増加する

日本銀行の政策金利の動きによって、市場全体の金利水準が変わることもあるので、経済ニュースをちょっと気にかけておくと、自分の家計にどう影響するか見通しやすくなりますよ。

利息を減らすためにできること

借入をする時、誰だって利息は少ない方が嬉しいですよね。利息を抑えるための基本的なポイントをいくつか挙げてみます。

早めの返済が鉄則

利息は借入期間に比例するので、できるだけ早く返済すれば利息は減ります。余裕がある月に繰り上げ返済をするだけでも、トータルの負担はかなり軽くなるはずです。

金利の低い商品を選ぶ

金融機関によって金利設定は異なります。同じ金額を借りるなら、少しでも金利の低いところを選んだ方が、当然ながら利息は少なくて済みます。

複数のカードローンやローン商品を比較して、条件の良いものを探す手間は惜しまない方がいいでしょう。

無利息期間を活用する

最近では、初回利用者向けに一定期間無利息で借りられるサービスを提供している金融機関もあります。短期間で返済できる見込みがあるなら、こうしたサービスを上手に使うのも一つの方法です。

金利と利息の基本的な内容

金利は「%」で示される割合、利息は「円」で示される実際の金額。この基本を押さえておけば、借入や預金の話をする時に混乱することは減るはずです。利子という言葉も出てきますが、利息とほぼ同じ意味だと考えて問題ありません。

実際にお金を借りる時は、金利だけでなく借入期間や返済方法も考慮しながら、自分にとって無理のない計画を立てることが大切ですね。利息の仕組みを理解しておくことで、賢い選択ができるようになります。